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2010 年 ブドウの収穫

ついに困難な収穫

みなさまへ,
通常、センセーショナルなニュースに貪欲 なジャーナリストにインタビューを受ける とき、生産者は必ずしも実情を反映してい るとは言えない内容を言ってしまうことが あります。私たちは明るく輝く人生を送っ ています。すべてが特別で、毎年より高い 目標に向かって突き進んでいかなければな りません。

過去 10 年、2003 年と 2007 年という記録的 な年を 2 回経験しました。そして異例の年 が 5 回、すばらしい年が 2 回、良い年が 1 回ありました。困難な年の余韻に浸りまし たが、これらは「人」として素晴らしい経 験でもありました。人が自然や意識と向か  い合う「人の経験」をお話します。

2009 年から 2010 年にかけてたくさんの雪 が降りました (最後に雪が降ったのが 2010 年 3 月で約 30cm 降り積もり、12 月から 2 月にかけて降った雪にさらに降り積もりま した)。それにより、豊富な量の水が土地 に蓄えられました。

うららかな春の 5 月上旬にたくましく芽吹 き始めましたが、この素晴らしい天気は長 くは続きませんできた。5 月半ばから 6 月 20 日まで多くの雤が降り、気温も平均以下 で推移しました。

この条件で 2 つの問題が発生しました。植 物の生長が遅くなったこと。そして、農業 用機械でブドウ畑、特に粘土質の土地に入 ることが困難になったことです。ブドウの 木と実のバランスを維持するためのむだな 葉の刈り取り、むだ芽の摘み取り、ブドウ 園の管理といった農地での作業に多くの時 間を費やす必要がありました。多くの困難 を抱えながらも 7 月になり、気温が 34~ 35°Cに急激に上昇しました。熱と太陽光は ブドウにとって必要なものですが、気温が 32°Cを超えると、光合成がストップしてブ ドウの成熟が遅くなります。5 月から 7 月 にかけての気候条件による遅れを合計する と、8 月上旬の時点で約 15 日分の遅れが出 ていたことがわかります。

通常、7 月の最後の週に赤い葡萄が色づき 始めますが、この年は 8 月の第 1 週でさえ もそのような様子は全く見られませんでし た。このたび重なる遅れを一部でも取り戻 す解決策を緊急に見つける必要がありまし た。「緑の収穫」とは空気の通りを良くす るため思い切った間引き、ブドウの房の下 にある葉の茂った部分を除去してくことで す。ボトリティス・シネレア菌 (貴腐菌で はない) の感染をできるだけ防ぐことが重 要です。あまり皮が厚くないため、感染す る可能性がないとは言えなかったからです 。

こうした中 9 月、収穫の時期になりました 。あれだけの作業をおこなってもブドウ成 熟におけるフェノール含量はなかなか思う ように上がりません。そのため、収穫前に さらなる作業をおこなう必要がありました 。南に向いているブドウの房の部分の葉も 取り除くことにしたのです。強い太陽光を 浴びて焼けてしまう心配はもうありません でした。

ようやくブドウが十分に熟し始めましたが 、それは不均一なものでした。一つ一つよ く熟している部分を慎重に選別し、そうで ない部分は排除する必要がありました。

この難しく、コストのかかる作業を想像し てみてください。自然は見方になってくれ ませんでしたが、私たちのこの粘り強い努 力と方法で糖度こそさほど高くはありませ んが、良いワインを作ることができました 。この困難なブドウの収穫での成功で、い つも順風満帆とは言えない状況でできる限 りのことをした企業、ブドウ農家、そして 人ととして大きな満足感が得られました。

2010 年は、私にとって 27 回目のブドウ栽 培の年でした。一度として同じ年はありま せんでした。毎年異なり、毎年が特別で、 予測がつかず、気まぐれでした。

Mauro Sirri