TERRITORIO

ベルティノーロ、そしてロマーニャ

今から2千年前、古代ローマの執政官マルコ・エミリオ・レピドによって建設されたエミリア街道は、ロマーニャ地方を2つの地域に分断しています。一方はアペニン山脈が徐々に上昇する地域、もう一方は長い平野が続く地域です。平野はリミニに近づくにつれて狭くなり、ヴェネツィアの繁栄を支えたアドリア海へと続いていきます。この風景の中で、ベルティノーロはアペニン山脈の始まりを告げる最前線に堂々とそびえ立ち、海風を受けて青いアドリア海を望みます。

ロマーニャ地方の宝石、ベルティノーロ

ベルティノーロはアドリア海とアペニン山脈の合流点に位置し、古代から陸と海の交わる地点です。
この地形による恩恵は、夏は爽やかで冬は暖かい穏やかな気候を作りだす海風に始まり、ロマーニャ地方が隆起したときに浅瀬で形成された有機物由来の石灰岩「スプンゴーネ」を含む土壌にまで及びます。この石灰岩と炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムによって、濃厚で熟したタンニン、香ばしい味わい、この地で育ったサンジョヴェーゼの若々しく表現力豊かな果実が育まれ、独特な性質を持ったワインが生まれます。

Celliのブドウ畑、多彩な性質の調和

Celli社は35ヘクタールのブドウ畑でブドウを栽培しており、すべてのワインの原材料に自社産のブドウを使用しています。当社は有機農法への転換期にあります。
ブドウ畑はベルティノーロの町周辺に点在しています。それぞれのブドウ畑が持つ土壌と微気候の違いは、4つの異なる性質を生みだします。そしてこれらをひとつに調和させることで、郷土に根差したバランスの良いワインが完成するのです。

ラ・マッサ:ベルティノーロのマッサ地区

サヴィオ渓谷を見下ろすラ・マッサは、シルト、粘土、砂を適度に含み、炭酸塩と石灰岩を多く含む土壌を特徴としています。ボディとストラクチャー

マエストリーナ:ベルティノーロのカスティッチャーノ地区

シルト、粘土、砂。炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムとスプンゴーネを多く含みます。北北東に面し、常に海風にさらされています。高い気品と優れたバランス

チェッライモ:チェッライモ地区

シルト、粘土、砂が混ざり合った土壌で、、石灰岩「スプンゴーネ」が隠れています。
塩分とミネラル

カンピ・ディ・フラッタ:ベルティノーロのフラッタ・テルメ地区

明るい色の粘土とシルト、大量の石灰岩を含む石灰質の土壌。アドリア海から吹いてくる風とマッジョ山(Monte Maggio)から流れてくる大気が、ここで交わります。爽やかさとミネラル感

ワインだけでなく、古き良き伝統が息づく町ベルティノーロ

海と丘のすばらしい景色を見ることのでき、ロマーニャのバルコニーともいえるベルティノーロは、昔ながらの石畳の道や当時の近道が残されている歴史地区でもあります。ベルティノーロの中心部には広々とした優雅な広場、ピアッツァ・デッラ・リベルタがあり、その一方からはロマーニャの平地を、もう一方からは大聖堂、市役所、塔、輪のついた柱を望むことができます。広場を降りるとワイン博物館、カ・デ・ベーがあります。ここにはアルバーナの鐘が展示されています。ブロンズ製の高肉彫の鐘で、ブドウの収穫を表現しています。これは1987年、アルバーナ・ディ・ロマーニャのワインが D.O.C.G. に認定されたことを記念に作られました。丘を見下ろす修復された古代の要塞は、ボローニャ大学 (Alma Mater Studiorum) のレジデンスセンター、および異教徒博物館になっています。

ここは2011年からサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャの歴史保存地区の本部にもなっており、ロマーニャ地域全体の最も重要な生産者のワインを保存しています。

ベルティノーロとロマーニャは食品とワインの基となっているところです。イタリア高級ワインの生産だけでなく、香りが特徴的でユニークな「フォッサチーズ」、柔らかなフレッシュチーズ「スクアクエローネ」、ロマーニャのパン「ピアディーナ」、くるみ、ヴォルピーナ梨、ドライフルーツ、イチジク、シロップ漬けのフルーツ等の季節の果物をブドウの搾りかすと一緒にジャムにした「サヴォール」、エキストラバージンオリーブオイルでも有名です。イタリア高級ワインの生産においては、その味と香りで人気があり有名な場所としてベルティノーロがあげられるでしょう。

ベルティノーロは2008年に完全に改修された13ヘクタールにもおよぶ公園の緑に囲まれ、ミネラル塩が豊富に湧き出るフラッタ・テルメの温泉施設もあります。

  より詳しい情報:  visitbertinoro.com